建築概要
キリスト・プロテスタントの教会です。旧堂の老朽化による建替え工事で、旧堂での礼拝を続けながら新堂を建築する計画となりました。敷地はL字型で、旧堂のすぐ脇の交差部分に隣の民家と距離をおいて新堂を配置することに決めました。二つに別れた敷地を分断させないためと講壇背面に庭を確保するために隅切りしてできた八角形の平面計画は、内部においては講壇に向かって求心性が生まれ、礼拝堂を囲むそれぞれのスペースからも講壇の様子を共有できるようになります。礼拝堂は引戸で仕切ることで引戸の開閉によって空間構成を変えることができ、外周の3つのスペースは多様な用途に対応できます。礼拝のある日常、大小人数での食事やミーティング、キッチン周りでの調理や菓子製作梱包、事務室周りでの資料作り、バザーの準備、コンサートやセミナーの開催等々あらゆる場面での活用を見据え、機能を限定しない部屋割りとしました。外観は以前からそこに建っていたような印象になるよう意識して材料などを選び、閑静な住宅街の周辺に配慮し軒先を低く抑えるようにしました。駅からのアクセスを考えた大谷石のアプローチは、北隣にある児童公園との繋がりのある広場となります。講壇背面の庭は、旧堂にあった森の風景の壁面写真を実物で再現させるもので、礼拝堂内からだけでなく道行く人の目も楽しませるように、今後の樹木や花々の成長を期待しています。