建築概要
下野新聞社の那須烏山地域の情報発信拠点となる新支局です。地域に開かれた支局となるよう計画しました。
外観は、風情ある周辺民家の景観に溶け込みながら、新しく現代的な表情のシンプルな切妻屋根としました。社の建物で継承している茶色の外観を表現するため、外壁はダークブラウンのガルバリウム鋼板でくるんでいます。また外観を印象付けるゲート型の車寄せは来訪者をあたたかく迎え入れるよう八溝杉で囲いました。平面計画は田の字プランに近い明快な構成として、多用した引戸の開閉によって空間構成を自由に変えられるよう提案いたしました。有事の際に大勢が詰める事や、居住する支局員が単身や家族帯同などあらゆる状況に対応可能としています。エントランスの土間スペースは支局員が外出入時に活用したり、地域住民との交流の場にもなるように提案いたしました。それはまた執務室が安定した環境を確保するための中間領域でもあります。通り側の烏山和紙のロールスクリーンを降ろすとショーウィンドウの様に区画され、地域の情報発信の展示スペースともなります。和紙のブルーのグラデーションは那珂川の清流、和紙の照明は川辺の木舟をイメージしてデザインされています。