木工事が進んでいる鹿沼相互信用金庫 今市支店の現場ですが、耐力面材や筋交等の耐力壁がほぼ完了し、いよいよ「組子耐力壁」の施工が始まりました。
鹿沼市は「木工の町」として知られていますが、その中でも建具や家具に使用される「組子細工」は有名な伝統工芸の一つです。その組子の技術を応用し、木造建築の耐力壁として開発されたのが組子耐力壁です。宇都宮工業高校の先生や生徒たちが研究開発し、鹿沼の職人さんたちの手によって造られました。私たちが今回の建物を木造でご提案しようと考えていた時、タイミング良くこの製品にめぐり合い、なんとか諸条件をクリアーして採用させていただくことができました。
組子といっても建具等に用いる細かいものでは構造部材にするのは難しいので、少し断面の大きい桧材が使われていますが、今回の建物のスケール感には丁度良い形状かと思います。
実際に設置されると、組子が主張しつつも、適度な透過性を保ちながら、内外をつないでくれるのがわかります。見る角度により、その条件が変化するのも、この組子耐力壁の面白いところです。外部からはガラス越しに、内部からは近い位置で、お客様は桧の香りと共に本製品の美しさに接することができるようになります。
組子耐力壁に先立ち、カーテンウォールも設置完了しました。
エントランスの庇の施工も開始されました。建物の高さに合わせて天井高さを抑え、地元桧羽目板の天井材を身近に感じながら入館いただく形になります。
今後の進行がますます楽しみです。(ひ)
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